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メープルランドの日常

~愉快でユーモラスなバイリンガル都市生活ブログ~

【170】義母国フランスを思う③(パリであやかるパラサイト)


来月からフランスへ里帰りすることにしました。


夫の両親が住むのはフランス北西部にある

ケルト文化が色濃いブルターニュ地方ですので、

近年は専ら単なる経由地となってしまっている華の都「パリ」ですが

今回はいろんな理由から寄る予定でいます。



パリは2006年にフランス留学兼、

ヨーロッパバックパッカーを始める拠点として

始めて降り立った場所です。
以前の記事(→こちら)でも話した、カナダのためのフランス留学が目的です。




空港から移動して市内に入った時、

「えー何!何?これ!スゲーな~」

と声に出してしまったほど

何世紀も前の建造物でひしめく街全体が

人の手で作り上げたものであることに圧倒されてしまったのを

今でもよく覚えています。


日本の古い建造物だと木造建築なので

木の古さと石の古さ、また別物です。




それから16 年。

なんだかんだパリを訪れた回数は数しれず....



パリはいつもパリで、

いい意味で馴染めないですが

行くたびにワクワクするのは

やっぱり誰もが憧れるパリだから、

というところでしょうか。
空港の名前だけでオシャレだわい(笑)
シャルル・ド・ゴール♪





うちの夫はパリジャン、

ではありません



でもパリ近郊で生まれ、大学はパリ。


成人してからは長年住んでいたので

彼にとっては世界のどの街より知った街です。


でも生粋パリジャンは訛から態度から全部違うようで、

毛嫌いしている夫は

自分がかけらもパリジャンではないと強く主張したいようです。

でもさあ私なんかよりパリジャン寄りジャン(笑)

とからかいます。




一方、

夫の元カノってのが

生粋パリジェンヌだったようでして、

パリに代々住んできた家族出身だったため

同棲していた頃はその恩恵に大いにあやかっていた様子(笑)


まず、

パリの中心に家(アパルトマン)を(元カノが)持っていた、

住めていた(しかもタダ!)って

かなりラッキーなことであったはずです。

何かとちゃっかりしたとこのある、夫の人生・・・


パリにいた頃あれした!これした!ここ行った!って夫が言う度に

「元カノのおかげだよねえ」と目を細めてからかうのですが(笑)

本人も「そうだよ(笑)」という始末です(笑)



パリはものすごく家賃が高いので、

中心街のアパルトマンに住めるなんてのは極稀で

中心街外れた区でもとにかく狭いし

改装なんかは基本できないし、古い。

生活が歴史の一部であるのは責任重大です。

エレベーターはないし狭い階段を上がり下がり

エレベーターがあっても何世紀も前のままで故障中。


そんな中、先祖代々の素敵な持ち家があるパリジェンヌと

9年も付き合ってたわけです。


家族ぐるみで一緒に暮らしていた彼女と別れてから

パリにあやかる機会が少なくなったとはいえ、

やはり夫が住んでいた街。



映画でパリの街がちらっと出てきただけで

「ここは○区の○○の近くだ」とか、

パリ市内のカーチェイスシーンで

「この橋からこの道に出るのはありえない」とか

すぐ分かる夫の知識が憎たらしい(笑)



france2022-paris02
パリに降り立つのはかなり久しぶり。
確か結婚式をした2013年に日本の両親をパリ案内した時以来です。




パリにその当時からの夫の知り合いや友達がいるので、

夫のパラサイトな過去にあやかることができるのは

今度は私ってわけで(笑)

本当にラッキーです。


今回の滞在は

11区にある友達の所有する(普段は田舎、カンパーニュに住んでいる)アパルトマンに泊まらせてもらうことができそう。

計10日くらいいるので、ホテル代相当浮くはず。
ホテルだと安いところでも一泊で130ユーロ(約17000円)は硬いので!



france2022-paris01
パリの滞在計画を娘とする。
まずはパリの地図を書くことから。
エスカルゴ(カタツムリ)の形をした全20区で成り立っているよーと娘に教育してみる。そこに行きたいところを書いて行程スケジュールを練る。



今更

シャンゼリゼ通りを歩きたいとか、

セーヌ川クルーズしたいとか

ルーブル美術館を見たいとか

エッフェル塔を…なんて

観光希望はないものの

何年かぶりのパリのカフェでお茶したり、

本物のクロワッサンを食べることができるのだけで満足(笑)

嫌いなフランスですが、いやあ食べ物の美味しさは否定できません!



france2022-paris03
「界隈」って言う言葉がしっくり来るのは世界中でもパリだけな気がする。


夫がいるだけで迷子にならずに地図無しで歩けるのは

嬉しい。

夫の知識で

穴場スポットも案内してもらおうではないか(笑)




でも夫だってめっちゃ久々のパリのはず。

「いろいろ変わってるんじゃない?」

と聞いたら

「パリは何世紀も変わらないからパリなんだよ」

って

かっこいいこと言っちゃった風セリフで吹いた(笑)
まあこの人これ天然なんですが(笑)


でも歴史の恐ろしくも良い保存状態をビシビシ感じるパリ、

楽しみです!




  
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【169】異母国フランスを思う②(ボルドーワインとの出会い)



前回の異母国フランスを思う①の続きみたいな記事です。

今回も過去の個人的な昔話です。


フランスへの切っても切れない縁は

思い起こせばカナダ留学中(1999年)にも起こっていました。


春休みに、

バンクーバーから長距離バスで

アメリカのサンフランシスコまで

友達と貧乏旅行に行ったときのことです。


ここで(学校の先生以外で)人生初めてのフランス人に会います。



ホステルのラウンジで

黙々とポストカードを書いていると

何やら気配を感じる、

と思ったら

同じ長テーブルの端っこに男の人が座って来てこちらを見ていました。


ああよくあるパターンの「ナンパ」じゃないといいなあ~

と無視しつつ。



でもその男性は目が合ってしまった瞬間を逃さず、

「ハロー」と。



面倒くさいことになりそうだ、

と思ったんですが

寂しそうな甘い目のその青年が

「ワイン飲む?」

と訛のあるシュワシュワ〜とした英語で聞いてきます。


まだハタチやそこらでお酒に慣れていなかった私は

「ワインは飲んだことがないから(いらない)」

と断ったんです。

ましてや知らない人に飲み物差し出されること自体危険ですし。


すると、

「ワイン飲んだことがないだって!?なんてことだー!じゃあ今日は君の人生のラッキーデーだ。これは世界でも最高のワイン、ボルドーワイン!これを飲んだら他のワインが飲めなくなるぞー!人生が変わる可能性があるぞー!」

と、

北米人ではめったにない憂いと笑いがバターと混ざったような

なんともへんてこなテンションで返されました。



いくらお酒に詳しくない私でも

ボルドーって有名な仏ワインの産地なのはどこかで習ったはずで

知っていました。



この青年の「ボルドー」って部分だけフレンチな発音が

妙におかしくて(笑)



日本語がカタコトなアメリカ人が

「わたしの名前はマイケルです」って言ったとき、

マイケルの部分だけアメリカンな発音で

マイコーになって聞き取りにくい感じになる、

フランス語バージョンって感じです(笑)



「フランスの最高級ワインを断るなんて君はどうかしてるよ!」


とへんてこなテンションで今あったばかりの私を

説得しようとする青年。


やいやい断りにくいなあと、

結局一口頂い記憶です。
良い子は真似しないでね!


残念ながら私には良さがわからず、

特に美味しいとは思わなかったと思うし

別に今もワインが好きではないです。


でもこれをきっかけに

いろいろ話をすることになります。



彼はパリからサンフランシスコに働きに来ていて

仕事は見つかったのだけど

自称、こんなクレイジーなフランス男を住まわせてくれるところがなくて

アメリカに着いて以来

ホステルに長期滞在するハメになっているのだそう。

でも基本ホステルって数日しか利用しない旅行者が来るところだから

友達になってもみんな去って行くんだ(笑)と。

受付の人と友達になったものの

ずっといる変わり者の俺に退屈してるんじゃないかと

心配になってきたところだ、

と、湧き出る泉のように自分の話をし始めて(笑)


そしてサンフランシスコにもう2ヶ月もいるのに

仕事も忙しいし

あのゴールデンゲートブリッジにさえ観光に行けてないんだと、

可愛そうな自分を嘆いていました。



シュールにもチャーミングなこの人、

元気ハツラツの北米とは違い

なんか憂いに満ちていて気の毒(笑)


ほっておけない性分のわたし(笑)



「じゃあ明日ゴールデンゲートブリッジ行くけど一緒に来る?」

と誘ってしまいます(笑)


バンクーバーから一緒に来た友達にも彼のことを説明して

丸一日一緒にサンフランシスコ観光。




で、このクレイジーフランス人、

今でも連絡を取っている大親友になっていくんです。



1999年にサンフランシスコで会って以来

手紙やEメールで年に何度かやり取りをしていましたが、

その後再会したのはその7年後の2006年。



初めてパリに行ったときに7年ぶりなのに

めちゃくちゃ喜んで空港まで迎えに来てくれた人。



その後一緒にスエーデンに旅行に行ったり、

ジーノの地元、静岡にも遊びに来てくれたり、

モントリオールにも数年前奥さんと遊びに来てくれました。




今でもボルドーワインの良さが分からない私ですが(笑)

ボルドーって聞くたびに

サンフランシスコのホステルを思い出します。



世界は繋がっていますね。



来月行くパリで、数年ぶりに会う約束をしています。


サンフランシスコのときと

ノリが全く変わってなくて

また笑わせてくれるでしょう。


「君が来るなら有給を取るよ!」

とまたあのテンションで喜んでくれて

会うのが楽しみです。


そして今回の渡仏の後半、

始めて彼の故郷ボルドーにも

寄れたらいいなあと思っています。

france2022-stemilionwine
ワインの良さがわからない私ですが、ボルドー近郊の村サンテミリオンのワインを飲んだ時は唯一感じるものがありました。
この村もものすごくかわいかったし。
それ以来どうしても赤ワインを選ばないとならないときはこのサンテミリオンを選びます。




長く付き合うことになる友達に

人生のどの場所で出会うかわからないものです。


これから留学や旅行に行く方、

変な人と一生モノの友情が芽生える出会いになる人かの

見極めができるように

是非、自分の目を、勘を、

肥やしておいてください。


当時私にその人を見る目や勘が備わっていたかは不明ですが、

アブナイ人か、純粋に話してくる人か、

海外で言語も違うと特に、

基本的にに警戒心は強いほうがいいと思います。



  
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【168】義母国フランスを思う①(フランス嫌いから始まる)

モントリオールはカナダのケベック州にあり、

フランス語が公用語なので

フランスとは切っても切れない縁です。

franceflag


そんなケベック州に結果的に住んでいる私、ジーノの人生を振り返ると

フランスとの縁、いや腐れ縁

これは偶然ではなく

皮肉にも必然だった気がします。



今回の記事は、過去の個人的な話になります。



事の始まりは、

通っていた日本の高校が、英語はもちろん

言語や異文化を学べる国際科という科だったことで、

選択科目の中でフランス語を選んだところです。
ここだけは偶然だったのかもしれません。



フランス語か中国語か、英検のクラスから選ばなくてはならなくて

消去法でフランス語を選んだ感じでした。
フランスに対する憧れや思いはまるでなかったんです。
そして今も特に憧れはありません(笑)




小学生の頃から外国の雑貨や、洋画が好きだったので

受験のために塾は通わないでいいから、

念願の高校の国際科に受かった暁には塾に通う分ののお金を使って

夏休み留学をしたいと言い親を説得しました。


通っていた中学からは入学前例のない隣町の高校で、

担任の先生にも難関だし、きっと無理だ…と言われましたが、

幸運にも推薦入学で受験無しで入れてしまったので

約束は約束!ということで夏休み留学。


映画が好きなら絶対アメリカ、カリフォルニア(3週間)だろう!

と思ったんですが、

なぜかカナダのほうが留学費が同じで4週間行けるみたいだ、と言うことで

半分しぶしぶカナダのバンクーバーに留学先を変更。


今思えばこれが人生の境目でした。

若干15歳のさじ加減の選択ですよ(笑)


一ヶ月一人で行く外国。


バンクーバーでの4週間がどれだけ刺激が強かったのか、

カナダに恋をしたとしか言いようがありませんでした。

夏休みを終えても逆ホームシック。

「カナダに帰りたい…」

っていつも言ってました。

メープルリーフを見ると涙が出るんです。


そして高校2年の夏休み、

本当は学校のカリキュラムで

クラス全員でオーストラリアにホームステイに行くことのなっていたんですが

担任の先生や親を猛説得して

再び単身バンクーバーへ夏休み留学。
当時から一風変わった意志の強い頑固で面倒な生徒だったと思います(笑)




一年ぶりに戻れたことでカナダ愛が確定されてしまい、

ここからは人生全てカナダのため、に動いています。




ゆくゆくが暮らしたい、移住したいを目的に、

高校の勉強、英語頑張るモチベーションアップ。

その中でのフランス語習得です。

カナダのもう一つの公用語はできるに越したことはないはずと。

消去法で選んだはずの選択科目が「運命」になったわけです。



高校卒業したらカナダの大学に本格留学、5年ほどいましたが、

当時の移民法では現実的な移民への道はなかなか開けず。

お金をためてワーキングホリデーで戻ってくるしかないと

日本に帰国。



がむしゃらにお金をためて

その間にフランス語の方ももっとやっておかなくては!

ということで

手っ取り早くフランス留学(6ヶ月)してしまおうと

フランスへ渡ったのが2006年。


カナダのためのフランスだったんです(笑)


フランス自体にはなんの憧れも思い入れがあったわけではないんです。
パリ症候群(パリ症候群って何?の人は→こちら)とかはまずないです。


逆にフランス留学で、

フランスが大嫌いになって帰ることになりました。

カナダ留学とフランス留学、同じ留学でも

ものすごい違うものでした。



滞在中に感じた、身に起こったアジア人差別や

フランス人の態度や役所仕事のずさんさは

本当に酷いもので、

いい大人でしたが6ヶ月がしんどかったです。


フランスが嫌い!

ここから始まったんです。

フランスの印象はとにかく悪く、もう絶対来たくない

とさえ思って去った場所でした。


それでもなぜか

今までお付き合いした彼氏は

フレンチカナダ人だったり

フランスでシェフ修行してた人だったり

フランス語を話すベトナム人だったり

するんですが。



あとにも先にも

嫌いな国、嫌な経験しかできなかった場所「フランス」

の文字がついて回っていました。

不思議ですよね。



そしてワーホリでカナダにやっとこれて

モントリオールで出会ったのが、はい、

今の夫、

フランス人でした(笑)


彼がフランス人だと知って

失礼にも「それは残念!」

って口走っていた自分がいました。

彼は「俺も(フランス人である自分が)残念。」

と言って笑いました。

そこから「どうしてー?」って会話が始まるんですが


フランス語が少なからずできたので

英語をほとんど話せなかった当時の夫とは

つたないフランス語で会話するしかなかったのも

仲を深める要素だったのは間違いありません。



もしフランス語が全くできなかったら

会話で仲を深めることは難しかったと思います。


夫によると

当時モントリオールで知っている日本人数人は

みんな英語はできてもフランス語は話せない人ばかりだったらしく

「フランス語が喋れるこの日本人って何者?」

と私に興味を持ったと言っています。


逆に私のフランス語のレベルがものすごく高かったら

これまた彼への印象も違っていたでしょうから

人生のさじ加減って微妙なところで

良いか悪いか

結果を生みます。



それに

彼もフランスが好きではないフランス人なので

話が合った、

というのもあります。



とにかく夫と出会って早くも11年。


今では第二の故郷(いやカナダが第二、フランスは第三かな?)、

義理の母国になってしまったフランス。


嫌い、とか言ってられません(笑)


しかし

はじめの印象が悪すぎたせいで期待してない分、

夫に会ってから訪れる度、

家族やその周りの人と会うごとに

フランスのいいところが見えてきます。


人はまあ自分勝手な失礼な権利の主張が強すぎる人が多く

とっつきにくいですが、

一度「家族」とか「友人」の枠に入れたら

クールなカナダ人なんかより数段上をゆく、

本当に暖かい人達で

一生の絆で結ばれる友人になりえる人たちです。



今でも覚えているのが、

フランス留学から帰って来て

BSの街歩きか世界遺産の特集番組で

「フランスで最も美しい村」

を紹介していましたが、

フランスなんて絶対にもう行かない!

と当時は思っていたので

こんな素敵な村は残念だけど

きっと一生見ることはないんだろうと思っていました。


しかしそのほんの数年後、

後々夫となる人と

フランスの村巡りをしている自分がいて

人生何があるかわからないなあ

Never say never
これどういう意味??の人は→こちら

だなあと。


フランスが好きか嫌いか言われたら

嫌いなのは変わっていませんが、

住みたいか住みたくないか言われたら

絶対住みたくないですが、

夫とともにいる限り、

自分の子供たちがいる限り、

故郷であるのは確かで

また何度も訪れる場所です。


良いか悪いか関わりを否定できない場所、フランス。


今年の春、久々に行こうかと計画中です。




  
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