極端なモントリオールの夏の幕引きです。
夏が完全に終わる前に、
書きたいことが出てきたので
ちょっと旅行記は後回しにして
今回はプライドパレードについてです。
3年ぶりに北米最大級のモントリオールのプライドパレードが
先月7日、行われる予定でした。
通常うん千人が行進し
この街の数々ある夏のイベントの中でも大きなものの一つです。
何度かブログでも触れていますが、
LGBTQ (今や2SLGBTQ+となるらしいです)という人たちは
もはやモントリオールでは「マイノリティー」とは呼ばない気がしています。

これが2SLGBTQ+のフラッグ(旗)。従来のプライドフラッグよりさらにカラフル。さらなる多様性を認めます。
普段の生活にて、当たり前のこと過ぎるので
自分が、友達が、それに属するかどうか、も
もはや問題ではないレベルでしょう。
しかし、
やはりパレードでまだまだ国内外に向けてメッセージを発すること、
理解を求めること、
サポート心を提示することは大切です。
カナダは同性婚を認めている数少ない国の一つですが
強い宗教心や移民の文化的な考えなどがある中、
やはり存在理解を求める、「Acceptance」(受け入れ)を促す力は
どこかで常に働いていなければなりません。
何が「普通」かが問われる現代では特に。
コロナで3年ぶりの開催ともあって
みんな楽しみにし話題にしていました。
なのに、ですよ~!!!
今年、更に規模を拡大したパレードが結果、
中止になってしまったのです

しかも、
パレードが始まるほんの数時間前まで誰にも知らされていなく、
びっくり仰天、
普段ドライなケベック人でさえ
みんな怒こって呆れていました。
私と子どもたちも
ベビーカーと共に
パレードの歩く側で参加予定でした。
娘とレインボーフラッグを折り鶴でデザインし、
プラカードとして持って歩くつもりで制作もしていましたが
出番なし(涙)

夫の会社グループだけでも参加者は私達含め200人が歩く予定で、
この日のためにケベック州内の遠方からも参加者が現地入りしていたし、
夫は会社のパレードトラックを設置しに
朝5時起きで繁華街のスタート付近にて準備していたんです。
会社が大人気のドラッグクイーンと契約し、雇っていたし
(パレードと前日のブースで宣伝ガールしてもらうだけで高い給料前払いしてます~!)
最終日であるパレード前の一週間は
プライド週間と言って
ずっとストリートイベントや
会場、ゲイバーなどでの有料イベントも
問題なく堂々と開催していたのですが。
私達が知らされたのは
もう玄関を出ようか、と言うときでした。
蒸し暑い日でしたので
飲水や弁当や離乳食や色々準備して
忘れ物がないか確認して
息子をベビーカーに乗せて
夫に「今出る」とメールしようとすると
夫から電話。
「中止されたって」
「はぁ?」
沈黙~~~~~(笑)
「朝から組み立てたトラックのデコを解体しているところだよ」
「え?」
楽しみにしていたぶん、
ほんとに中止なのか信じたくありませんでした。
ウェブサイトをチェックすると
取ってつけたようにパレードのところに「Annulé」(中止)
って出ているだけで
理由など詳しい説明は一切なし。
日本じゃ考えられないけど、
ま、カナダではあり得るなと。
でもあまりに急なんで
テロ的なまたはヘイトクライム的な
威嚇なんかがあってなんか安全上の対策って理由か?
と思ってました。
ところが
後の報道による
なんと~!
ただのプチミス!
企画運営上のうっかりミス。
ボランティア80人を単に雇い忘れて
それが当日発覚し
警備にあたる警察がGoを出せなかった、
というだけのことでした。
それによってどれくらいの経済的損失があったのか
考えただけでもゾッとします。
モントリオール市長も
「ボランティアが足りないと私達、市に事前に連絡があればどうにかできたはずです」
と主催側に訴えていますが、
当日まで主催側さえ気づいていなかったという守備の甘さ。
日本のように謝罪会見を開いて...なんてことは
起こりませんが
責任は感じているらしく
参加予定だった会社や機関にはちゃんとアンケートなんかを取るらしいですが。
それにしても、アホ過ぎる。
今回の開催についてはエコを徹底していて
パレードトラックは電気自動車のみ使用可能、
参加者に配る水もペットボトルはやめよう~!と
参加者にはマイボトル持参を促し、
給水車まで用意があったといいます。
そんな準備もパレードがあってこその準備のハズ。
こんなに徹底していていいことだなと思っていたのに残念です。
前々から思っていたんですが
カナダってなにか過ちがあったときに、
基本あきらめ姿勢で、
前に進むと言う意味ではそうなんですが、
起こってしまったことに対しては
悔しがらない、恥に思わない、反省しない
というのが印象です。
さらっとしてる。いい意味でも悪い意味でも。
どうか来年はそんなことがないように教訓にしてほしいです。



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