fc2ブログ

メープルランドの日常

~愉快でユーモラスなバイリンガル都市生活ブログ~

【174】フランス旅行記2022③(フランスの中心で、家族愛を叫べない)

古城めぐりで知られるロワール地方から、

中央部の名もなき村を経て

義理の妹夫婦の住むトゥールーズヘ南下していました。


今回のフランス行きの大きな目的は

夫の大学時代の友達との再会、

普段の里帰りでは会えない家族や親戚との再会があり、

フランス国内を車で長距離移動。

優に5000キロくらいは走ったと思います。




旅の中盤、田舎の村で

幼少時代から家族ぐるみの付き合いがある親友家族と

一つ屋根の下寝泊まりする大規模な総勢25人の集まりが

バカンスのメインイベントでした。



夫は楽しそうで、昔話に花が咲いて嬉しそうな様子。


ただ、私はというと

感覚的には友達の同窓会に参加するような感じなので

まあ部外者感ありまして、

正直、あまり楽しくなかったってのが本音中の本音です。


夫と出会って12年、結婚してから9年。

多くの人が私の存在を知っているし、

当然のように家族として接してくれますが

やっぱり普段会わない人たちといきなり打ち解けられるかって言うと

容易ではない。


彼らの中には付き合いが40年を超える人もいるので

話の内容にも歴史があり

会話にも参加しにくいし

部外者の私はこの人数では

名前と顔を一致させるだけで精一杯です。


その上

まだ5ヶ月になったばかりだった息子は手が掛かり、

場所が違っても家にいるのと変わらずおむつ替えやら授乳やら忙しいので

ゆっくり話をしたり交流を楽しむ間もなく

面白くない浅はかな時間だけ過ぎていきました。


francetrip-berri-02
田舎の大きな家でテーブルを囲むなんて本来素敵なはずが・・・



しかも数日毎に移動する長旅。


寝泊まりするところがころころ変わり、

お風呂事情もトイレの使い勝手も違う所に移動ばかりで

子どもたちも疲れが見えてきています。



言ってみれば地理もわからない娘はただただ連れ回されて

毎回その刺激と変化に順応強いられてるわけですから。



娘が急に泣き出して

「おうちに帰りた~い‥‥シト(ぬいぐるみの犬の名前)に会いたい‥‥」

って言ったとき

私も自分の家に帰りたい、

と思ってしまいました。


知ってるようで知らない人たちと会って

話をしたり、

話さなきゃいけない雰囲気の中にいたりするのは

疲れました。

決して社交的でないわけでは、ないんですが。

コロナ下で

極端にここ2年他人と話さなかった時期が長いのも要因かもしれません。




体はそれを隠せず、

旅の半ば、自律神経系をやられたサイン。

鼻血が出てしまい止まりませんでした。

結構なストレスと疲れの現れです。


本来旅好きの私は

旅に出ることによって

マインドフリーに物事を考える自由を求めて

一人ぼっちに身を置くことが

楽しみなんです。


旅行は

自分のことを知らない人とゼロから接することのできる環境で

普段の生活からできるだけ離れることで

思考を別のものに使うといいますか。

これが「禅」だったりするんです。



それが全然できない状態なので

私にはワクワクする「旅」とは言えなかった今回の滞在。



一人になりたい、と

叶わぬ願望が頭をよぎる毎日。



田舎の大きいお家で

長いテーブルを囲んで

みんなで料理したり食事したり冗談を言ってわいわい。

企画者が体育の先生なので

結構スパルタなイベントでもありまして、

近くの川に泳ぎに行ったり

早朝ヨガをやったり

村のジムにロッククライミングをしに行ったり。

francetrip-berri-01


子どもたちは本当に生き生き楽しんでいましたし

年の違う子達の素晴らしい交流になっていましたので

企画してくれた人には感謝ですが、

家族の集まりは、苦手であるのが自分の中で

再確認されてしまった感じです。


当初、夫世代とその子供、二世代の集まりでした。

一番遠くからの参加はやはりカナダからの私達で、

普段会えないということでそりゃあもう歓迎されました。


私の夫が最年長で、うちの5ヶ月の息子が最年少の総勢19人。


それだけでもわいわいガヤガヤお祭り騒ぎなのに

2日目に親世代6人がサプライズ登場。


親、登場~!で盛り上がるあたり‥‥

どんだけ仲いいんだよ~!と

仲の良さに逆に他人の私はちょっとシラけました。



こういう仲がいい人たちの雰囲気を壊さないように

気を使うのもしんどかった。



前日両親の家を出て550kmも車を走らせたっていうのに、

夫の両親は内緒で次の日追いかけてきたっていうことです。



前の週末、

ロワール地方の叔父さんと伯母さんのうちにおせわになって次に会えるのいつかねえ、

と別れを告げて来たのに

今週もまた会ってるじゃん(笑)



世間的には家族って大切で、

あって当然と思ってはいけないものなんだと思います。



でも育ってきた環境でいわゆる「家族」

に対しての思い入れは

とっても個人的な感情なこともあるのです。


仲のいい家族っていいなあと思う反面、

家族だからこその距離感がわからない

私のような人もいる…


そんなことを言うと世間的には悪者で、

非難されそうなのもわかっていますが。

それこそが世間体を気にした偽りの気持ちなのかもと思うんです。



今回の旅で

自分が家族の中では自分を出せていない、と強く感じ

居心地は悪かったです。



これは日本の家族の中でも言えることで、

自分が自分になれない場所が家族だったりするので

長時間そんな環境にいるのはしんどい以外の何物でもない。

言語の問題では収まらない邪悪な気分でした。


今回参加しなかった家族のメンバーが一人だけいます。

夫のいとこの旦那さん。

この人は毎回葬式にもでないし

変わり者とみんなが呼ぶ人です。


私も素直な気持ちで行動を移して参加しなかったら、

この人カテゴリーなんだろうな‥とか。



そんなことをこの集まりのみんながゲラゲラ笑って楽しんでいる最中に考えてる自分が嫌になったりも。


この個人の感情を

ジジババの登場で喜ぶ娘には悟られないようにしていた自分。


でもこれって自分娘にも嘘をついている、偽っている、演じているってことなんですよね。

正直な感情を娘や息子に伝えられる日は来るのか、と不安になります。


ということで

ブログで他人の皆さんに愚痴るのもなんか違うような気もしますが(笑)

今回の里帰り旅、

「家族」について考えさせられた出来事となりました。




ちなみに

参加したほぼ全員に結構深刻な悩みあり。


今でも元夫との間で親権争いのようなものが続いていたり、

元夫から伝染された病気で歯が取れてしまっている人がいたり(どんな病気!だよ?)

長年連れ添ったパートナーと最近別れて現在住む場所に困ってる人や、

別れた元彼が家に居座って出ていってくれない状態で精神的に参ってる人や、

とある出来事から精神面で健康上の問題を抱えて休職中の人もいて、

そんな彼らが笑顔で、

信じられないくらいゲラゲラ笑って参加しているのを見ると、

私の頭の中の気持ちなんて

自分だけのちっぽけなもののような気もして。




そんな現実的な悩みをもつみんなが、

長い週末が終わりそれぞれの街へ

それぞれの生活に、人生に

帰っていったのでした。



私達は一番最後にその地をあとにしたんですが、

30分くらい走って

子どもたちが後部座席で寝てしまって静かになると

夫と

「うちは問題という問題も見当たらないよねーちょっと太り気味だってことくらいで!」

って話しながら笑ったのですが

夫が

「あ~~面倒だった~(遠い)モントリオールに住んでて良かったな」

とボソっと言ったんですよね。


楽しんでいた夫も、

家族との距離感に思うところがあるようでした。


この週末のモヤモヤした心の内を

夫ならきっと受け止めてくれると思ったので

モヤモヤを吐き出しました。

小難しい妻でスイマセン!と思いつつ。



夫は運転しながら静かに聞いてくれて

夫を昔から知る家族のどれ位が

今この目の前の夫の優しさを本当の意味で知っているのだろう?

この人のボソっと言った本音を聞けるのだろう?

と思ったら

きっと私にしか見せない面もあるし、

私のことを知っている夫だから話せた、とも思います。



家族ってときに選べないけれど....

夫はそういう意味では唯一

「選んで家族になった人」

です。



ここは居心地が良くないと意味がないよねー

なんて

ぐるぐる考えながら

助手席から夫の手を握り、

無言で握り返してくれる夫はやっぱり優しいなあと思いました。



里帰りって色んな意味で「旅行」じゃない(笑)と思ったけど

この人と帰れる「自分たちの家」があるだけでも

とっても幸せなのかもしれないと思うのでした。




  
 トークモアは人気上昇中の日本人講師メインオンライン英会話サイト!ワンレッスン300円~始められます!
 生徒さんのニーズに合わせた大好評ジーノレッスンはポイント 1コマ★750円★でレッスン中!詳しい講師プロフィールはこちら【注*只今育児奮闘中でレッスンお休みしてます】
スポンサーサイト



テーマ: ◇つぶやき◇ | ジャンル: ライフ