実は
育休が明けるちょっと前の去年の秋に
部署がトロントに移動、
外部の会社に部署ごと委託するという決定が社内でされたため
長年勤めていたアパレル業界の仕事を
失うことになってしまっていたんです。
デザイン部、IT部、マーケティング部、ソーシング部、カスタマーサービス部などのある本部は
まだブランド発祥の地モントリオールにあるのですが、
うちのオンラインオペレーション部だけごっそり移動。
コストの関係もあると思うのですが、
かなりショック。
なにせ移民してから7年以上いたので、
会社への愛も深かったですし、
育休最中にボスから連絡が来たときから
気持ちの面でがっかりでした。
同じ部署の同僚(約30人)とは
育休中に仕事場を訪れ、
なんとかお互いお礼とお別れを言えたのですが、
毎日顔を合わせていた家族のような人達だったので
みんなこれから別の道をあるんで行くと想像すると
なんとも切ない気持ちでした。
しかも私の場合に限ってですが、
本来すぐに適応されるはずの「失業保険」が、
失職日から遡り一年がまるまる育休の時期とかぶていたため
全く適応されないとのこと。
制度の穴に落ちたというべきか。
これは
育休保険がケベック州の政府機関、
失業保険はカナダ連邦同政府の機関から出ているためで
双方の制限が一致せず、の異例らしいです。
失業日が数ヶ月ずれていたらまた違ってたようで、
タイミングが本当に(例のごとく)悪かったとしか言いようがないです。
私の人生はいつも「異例」に富んでいるので、
良いときも悪いときも特殊な、前例の乏しい分岐点が多く
もう慣れたものですが(笑)
これはもう運命を呪うしかないですね(笑)
それにしても~
年末日本帰国、息子の託児所探しなど
忙しくはしていたのですが、
貧乏暇なし状態。
育休期間をすぎると
児童手当意外、自分の口座に全くお金が入ってこない
という状態に。
貯金を削って生活していたので
気持ち的に参りました。
マンションのローンもあるし。
幸い生活費は夫の給料で繋いでいましたが、
大人になってから金銭面で誰かを頼ったことはないので
自分の使えるお金が少ないというのは
この上ないストレスです。
それほど欲しい物がある方ではないですが
おむつ代だったり、大きなスーパーの買い出しを
いちいち夫に言うのも面倒で
残高を気にしながらなのでプレッシャーです。
求職活動をするべく
息子の託児所探しに兆しが見えたのが、
3月くらい。
それまでの約半年は結構気持ちが辛いものでした。
しかも、
本格的にいざ仕事を探し始めてみても
自分は一体何をしたいんだろう?
したかったんだろう?
できるんだろう?
と自分探しが先立ってしまって、笑えません。
年齢の分、
色んなことができる方だと思うし、
日本人ですから…どんな仕事でも真面目にこなしますし、
その辺の若い子よりいろんな経験もあります(笑)
が…
何しろそれを異国の地で
7年ぶりに証明できるのか
この年齢になると、
やりたいことより
やりたくないことのほうがはっきりしていて(笑)
子供が寝静まったあと夜な夜な
求人を見てはぐるぐる思いを巡らせ
それだけで疲れ、
自分に自信を持つことが
完全にできなくなっていました。
ましてや
本当に久々に履歴書を作成し、
過去を振り返り、
なんだか色々やってたな〜仕事、
の反面、
自分に専門性ってあるのか?とか
今更ものすごくやりたい職種があるわけでもなく
好きなことへの情熱が溢れてくるような元気もなく
時代は流れ、
過去の教育やディプロマ、資格はなんだか
今の時代にあっていないような気も。
そして近年の
求職の方法にさえ戸惑うのです。
今は
オンラインでの求人が主流だし、
会社とのやり取りもスマートフォン越しです。
特にカナダは「コネ」とか「知り合いの紹介」での就職が
際立って主流なんです。
前職も実は2010年にワーホリに来たときの
元同僚が紹介してくれた仕事でした。
今回も私が失業と知ると
周りの友達もいくつか間接的な職を紹介してくれたんですが
興味の持てるようなものはなく。
そしてネックなのが、
日本人の気質で
自分を売り込むことや
能力を過剰評価させるような言動も苦手です。
カナダの人は逆で、
大して何もできなくても(笑)
あたかも自分は天才!ってな風に振る舞ったりするので
まずはそこで印象が違い、
勝負したら絶対印象面では負けますね(笑)
もちろん後でボロが出るのはカナダ人の方ですが(笑)
雇われたもの勝ちというところがあるので。
奴らはすぐやめたり
自分の能力はさておき
「つまらない仕事」「想像したのと違った仕事」
など理由を並べ
すぐに去ってゆくパターンを過去にたくさん見ています。
悪く言えばすごく自信過剰。
よく言えば
超ポジティブ思考。
日本人のように「謙虚」なんてのは
こちらでは
完全なる弱みでしかないです。
ほんとに驚きますよ、これ(笑)
文法がめちゃめちゃでも
ちょろっと喋れれば自分を
バイリンガル、トリリンガルって言っちゃうし、
数週間で辞めたような過去の会社でも
「あ、やったことあります。できます。」
って言いますよ(笑)
私には到底そんな恐れ多いこと真似できません(笑)
経験があるものに対しては特に、
自分の能力リミットを想像しすぎてしまうのです。
でも
夫が言うには、本当に言っちゃったもん勝ち!ってことで
うちの夫も(フランス人ですがこちらに染まってきた)
ひらがな、カタカナ、ほんの数個漢字がかけるか〜
っていう程度の日本語力なのに、
履歴書には堂々と「日本語ができる」と書いてあるのを見て
えーーー〜?((((;゚Д゚)))))))
と、度肝を抜かれました(笑)
「誰も調べたりしないよ」
と言ってのけてましたが、
いやー日本語を調べることはなくても
カナダでは少なくとも
仏語、英語では嘘はつけないだろうしな(笑)
夫は人事部みたいなことを以前やっていたので、
本当にクソみたいな嘘の履歴書を書く人も大勢いて、
実際仕事はできない、遅刻魔だったりと
雇ってから大変なことも会社側が多いのだとか。
一度採用してしまうと、
ちゃんとした理由がないと解雇できませんからね。
経験あっても、だからこその働きにくい人もいるし
経験全くない人のほうが1から教えやすいんだそう。
仕事ができるかどうかより
同僚と上手くやっていける雰囲気があるかのほうが
カナダでは重視されることも多いです。
なので、まずは
フランクに話せる面接までたどり着くのが肝心なんだそう。
それにしても
カナダ人のポジティブ思考には学ぶことも多くあります。
経験がないことでも
I am a quick learner. (私は学ぶのが早い)
I love the new challenge! (新しいチャレンジが大好き)
I can do my best to learn as fast as I can. (早く習得するのにベストを尽くせる)
I am very good at that. (それは本当に得意です)
No problem! (問題ない!)
ナニを根拠に!?
口ではどうとでも言えるよね?と言うことを、
面接時にどんどん笑顔で言ってのける姿はあっぱれです。
求職中にたくさん学んだこともあります。
家の近所にも実はいろんな企業があること、
現在どんな職種の求人が多いのか、
同じ業界の密集する区域を特定できたり
モントリオールの主な産業は、ビデオゲーム、映画製作、ファッション、鉄鋼、航空業であること、
モントリオール発症のローカル企業の名前を覚えたり…
それから
求職中で苦しんでいるのは自分だけではないこと


こちらではリンクトイン(Linkedin)という
職業やプロフェッショナルに限定されるソーシャルメディアがあります。
まだまだ日本での認知度は低いかもしれませんが
フェイスブックと同じくらい浸透していると言ってもいいかもしれません。
これは仕事を通して人と繋がったり
情報を得られるオンライン上の場所です。
これに自分の履歴書を書いて
気になる企業のページをフォローしたり
友達や同僚などと繋がっておけば
ヘッドハンティングがあったり
ライブで最新求人の情報を選べたり
クリックひとつで応募できちゃったりします。
その便利すぎる機能のため良いことばかりではありませんが…例えばクリックひとつで全く関係ない人が応募してパンクする例など。
とにかく、
重い腰を上げて
自分をアピールするべく
履歴書を英語とフランス語で書いて
応募する企業によって変幻するカバーレターの下書きも用意して
リンクトインにも情報をアップしてリンクを広げて
いざ出陣!
…するまでに時間が思ったよりかかってしまいました。
オンラインはやっぱりものすごく情報の行き来が早いです。
自分に向いていそうな応募がでたら
迷わず即応募しないと
求人情報が本の数日で消えてしまいますし、
応募人数が見える機能もあるので
その多さに後ずさりしたくなることも。
何しろ
世界のどこからでも
クリックひとつで
応募できるのですから
冷やかしを含めても30人超えてたら
後退りしてしまいますよね。
そんな新しいことも夜な夜な学びつつ、(子供が起きてる時間は自分のことなど何もできないのでいつも文字通り夜中です(笑))
お店の接客態度が最悪のお姉さんや、
気の利かなすぎるスーパーのレジのおばちゃんとか見ながら
いや、この人たちにさえ仕事があり、面接通ったってのは
自信持たなきゃ(笑)
と思ってみたり
逆にだからこその引け目、
この人たちにさえ収入があるのに自分は?と
劣等感を感じてみたり。
いろんな負の感情と禅の感情の波が行っったり来たりで
要は自分との戦いなのです。
やっぱり自分は
自分にとって価値があると思える行動をしていないとだめになってしまうなと
つくづく思いました。

求職活動中ほど自分がちっぽけに見え、モントリオールを大都市だと感じたことはなかった・・・
そんな時期を過ごしていましたが、
これは終わったことだから話せるのです

職探し続きは次回のブログ(職探し②)にて!



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